商業系賃貸借契約における「区分」とは

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店舗ビルオーナーの承継者にアドバイスコンサルをしてきました。昨年来より一年以上続いています。

店舗ビルにおける賃貸借契約には全部で決めるべき「区分」が4種類あります。

「資産区分」「管理区分」「修繕区分」「更新区分」です。

「資産区分」とはその名のとおり入居時の資産がどこまでがオーナーでどこからがテナントの持ち物か、というものです。わかりやすいところでは、スケルトン貸しと呼ばれる店舗ビルではエアコンはテナントが持ち込みますが、オフィスビルではオーナーが設置します。

「管理区分」はどちらが管理するか、ですね。オーナーが設置した看板や照明器具でも管球交換などメンテナンスはテナントが負担するなどがあります。

「修繕区分」は「管理」の範囲を超えて修繕が必要となった際、どちらが修繕費用を負担するか、ということになります。オーナーが設置したグリストラップなどは、管理はテナントですが、故障時の修理はオーナーとなったりします。オーナー設置のエアコンの部品交換などはどちらの可能性もあります。エアコンのコンプレッサー交換となると修繕なのか更新なのか微妙になってきます。

「更新区分」は設備などが老朽化して全部取り換える必要がある際にどちらが更新費用を負担するか、を定めているものです。どちらが負担する場合も起こりえます。特に、入居時に前テナントが持ち込んだ資産(厨房機器など)をそのまま新規テナントに使わせてあげることを認める場合がありますが(居ぬき物件と呼ぶ)、それはオーナーが特別にテナントの持ち込みを不要にしてあげた場合が多いため、老朽化したあとの更新時には新規テナントが更新費用を持ち込むことになります。テナントは入居後数年間は持ち込み不要・タダで営業できていたことになります。

なお、「原状回復工事」における「原状」の定義も居ぬき物件の場合は独特になります。「入居時」と、テナント退去後の原状復帰における「原状」が合致しないため、トラブルになりやすいですが、入居時のオーナー資産一覧を図示したり、テナント原状回復時の原状定義を明文化することによりトラブルは避けられることが多くあります。
   
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