隣の土地は借金してでも買え(2)?

先日ですが、とある企業経営者さんからこんなご相談がありました。

「自宅の隣地が売りに出されているのだが買ったほうが良いでしょうか?

またとない話だし、投資用で購入しておいても損はないはず。」


またまた来ました!
お隣の土地。


築約30年・木造2階建ての土地建物です。

ちなみに駅から徒歩16分、バスもあります。



経営者さんは自宅兼事業所としてお使いでした。
隣地は確かに地続きですので有用性は高いかもしれません。


お聞きすれば、
「とりあえず隣地だから事業用としても使えるし
自宅が二世帯住宅だから将来別々に暮らすことになっても利用できる」
「とりあえず古家を賃貸で貸しておけば収入にもなる」

ということでした。

私は直感的に
「駅から遠い大型の一戸建ては賃貸しても
広さのわりになかなか賃料が上がらないし
退去されると次に探してくるのが大変」

という法則を頭のなかで浮かべていました。



しかしながら、やはりお伝えしたいのは

「それを買ってどうするのですか?」
という点です。


「当面は目的はないです」ということでした。

私は心のなかで「え~っ!」と思いました。


要するに「明確な理由が今の時点でははっきりしない!」

ということなんですね。

それでも
「またとない隣だから買っておいてもいいのでは?」
という疑問が出てきます。




確かに将来の事業の拡張性として
地続きの土地をおさえておきたい気持ちはわかります。


ですが、


「事業の将来性が見えてきたときのためのメリットと、
資金を不動産に寝かしてしまうデメリット、
どちらが大きいですか?」

ということなんです。


不動産を買うというのは「資金が寝る」ということです。

借金をして「寝かせた」ならば
他の事業などで本当に借金をしたいときに
その分だけ調達力が無くなる
ということなんですね。


本当に将来その隣地が必要になるのか?

すべてはこの疑問点です。




いざとなれば全く別の場所に事業所を移すことだって
できるかもしれません。

反対側の隣地のほうが良かった
ということになるかもしれません。



稲盛和夫さんの経営学・会計学のなかで
「当座買い」という考え方があります。


「まとめて買えば安くなるが在庫が増えるし大切に扱わなくなる。
金利もかかるし管理も増える。
だから必要な分だけを購入する」
というものです。



不動産と在庫の仕入れは多少観点は異なりますが、

「金利が必要」
「管理が必要」
「大切に扱わない=すぐ役に立たない」

という意味では通ずるものがあります。



万が一のための「隣地」かもしれませんが、会社の資源を費やすには

よほど余力がある場合にすべきであるといえましょう。



あらためて
「当座買い」
「目的があっての不動産購入」

を念頭においていただきたいと思います。